🧠【初心者向け】キャッシュの仕組みをやさしく解説(図解あり)
Webアプリの高速化に欠かせない「キャッシュ」。
しかし、よくある疑問があります。
- キャッシュって何をしているの?
- どこに置くべき?
- Redis、Memcachedは何が違う?
- DBにもキャッシュがあるって本当?
- CDNのキャッシュって別物?
この記事では
初心者がつまずきやすいポイント → 内部構造の深掘り の順で
キャッシュの“本質”を理解できるように整理します。
✨ 結論
✔ キャッシュは「よく使うデータを近い場所に置く」仕組み
✔ アプリ向け、DB向け、ブラウザ向けなど種類が多い
✔ 思考の中心は「どこに置くと最もコストが安いか」
✔ キャッシュは“正しさ”より“速さ”を優先
✔ キャッシュは“置く場所を間違えると”逆効果になる
キャッシュとは何か?(初心者向けの本質説明)
キャッシュとは、
「何度も使う値を、高速にアクセスできる場所へコピーしておき、再利用する仕組み」
です。
🔹 図解(短線版)
データ元(DB)
↓ 遅い
キャッシュ(メモリ)
↓ 速い
アプリ
キャッシュが必要な理由
✔ DBアクセスは高コスト
→ ネットワーク/I/O/ロック などが絡む
✔ メモリは圧倒的に高速
→ アクセスコストは DB の 100〜1000倍 速い
✔ 同じデータを何度も取りに行くのは無駄
→ 近くに置けば全て解決
キャッシュは大きく5種類ある(重要)
初心者が混乱しやすいポイントは
キャッシュには“階層”があるということです。
① ブラウザキャッシュ(フロント側)
画像・CSS・JS など静的ファイルを保存。
Chrome や Safari が勝手にキャッシュしてくれる
② CDNキャッシュ(ネットワーク側)
静的コンテンツをユーザーの近くのサーバに置く。
ユーザー
↓
CDN(近い)
↓
アプリサーバ(遠い)
③ アプリケーションキャッシュ(APサーバ内部)
例:Java の ConcurrentHashMap など
小規模ならこれで十分。
④ 分散キャッシュ(Redis / Memcached)
アプリを跨いで共有できるキャッシュ。
- 高速
- 大量
- 複数サーバで共有可能
→ クラウドでは最も一般的
⑤ DBキャッシュ(RDB内部のBuffer Cache)
実は DB も内部にキャッシュを持っている。
キャッシュをどこに置くべきか?
これが設計者が最も悩むポイント。
🔹 図解で理解するキャッシュの“階層”
ユーザー
↓
[ブラウザ] ← ①
↓
[CDN] ← ②
↓
[APサーバ] ← ③
↓
[Redis / Memcached] ← ④
↓
[DB(内部キャッシュ)] ← ⑤
「どのキャッシュを使うのが最適か?」は用途で変わる
✔ 静的ファイル → CDN(最強)
✔ 認証情報など速さが命 → アプリ内キャッシュ
✔ 大量のアクセスが来るデータ → Redis
✔ データ整合性が重要 → DBキャッシュ頼り
キャッシュの基本戦略(初心者向け)
✔ ① 必要以上にキャッシュしない(混乱の元)
✔ ② キャッシュは“不整合が起こる”前提
✔ ③ TTL(有効期限)を必ず設定
✔ ④ 書き込み時の整合性は意識する
✔ ⑤ 優先順位は「速さ > 正確さ」
ここまでのまとめ(初心者向け)
- キャッシュは「近くに置く」仕組み
- 種類は5つ(ブラウザ〜DB内部)
- どこに置くかがアーキテクチャ設計の肝
- 正確さよりスピードが優先
▼▼ 深掘り編ここから ▼▼
キャッシュの内部構造(LRU / LFU / FIFO)
キャッシュはメモリのため容量が限られる。
そのためデータの捨て方が重要。
✔ LRU(Least Recently Used)
「最近使われていないものから捨てる」
→ 現代では最も一般的
✔ LFU(Least Frequently Used)
「使用回数が少ないものから捨てる」
✔ FIFO(First In First Out)
「入れた順番に捨てる」(品質は低い)
Redis・Memcached の内部構造(差分)
✔ Redis
- 高機能
- データ構造(Hash、List、SortedSet)が豊富
- 永続化も可能
✔ Memcached
- 超シンプル
- メモリのみ
- 高速・軽量
キャッシュ無効化の難しさ
キャッシュの一番の難問は…
「古い情報をどうやって消すか?」
有名な冗談:
コンピュータサイエンスの難問は2つ
・キャッシュの無効化
・名前付け
・オフバイワンエラー
(3つ言っている)
キャッシュ戦略(Write-through / Write-back / Write-around)
✔ Write-through
DBに書き込むタイミングでキャッシュも更新
→ 整合性強い
→ 遅い
✔ Write-back
キャッシュに書き込み、後でDB反映
→ 高速
→ DBとズレる可能性
✔ Write-around
DBだけ更新、キャッシュは更新しない
→ 用途限定
分散キャッシュの落とし穴
- Consistent Hashing が必要
- 複数ノード間での再配置
- ネットワーク遅延
- ノード障害時のリバランス
- キャッシュスタンピード
(大量アクセスが同時にキャッシュミスしDBが死ぬ現象)
Deep Friendly Tech の一言(後書き)
キャッシュ設計は
「速さ・整合性・コスト」のバランス調整そのもの です。
どの層に置くか、どんな戦略で捨てるか、
どの情報を整合性の中心に置くか。
これらが理解できると、
- 大規模トラフィック
- 負荷の高いアプリ
- クラウドネイティブ構成
などにも強くなり、
エンジニアとして一段深い「設計者視点」を持てるようになります。

コメント