キャッシュの仕組みを“やさしく深く”理解する:アプリ・DB・ネットワークのどこに置くべきかを図解で解説【システム設計の基礎】

🧠【初心者向け】キャッシュの仕組みをやさしく解説(図解あり)

Webアプリの高速化に欠かせない「キャッシュ」。
しかし、よくある疑問があります。

  • キャッシュって何をしているの?
  • どこに置くべき?
  • Redis、Memcachedは何が違う?
  • DBにもキャッシュがあるって本当?
  • CDNのキャッシュって別物?

この記事では
初心者がつまずきやすいポイント → 内部構造の深掘り の順で
キャッシュの“本質”を理解できるように整理します。


  1. ✨ 結論
    1. ✔ キャッシュは「よく使うデータを近い場所に置く」仕組み
    2. ✔ アプリ向け、DB向け、ブラウザ向けなど種類が多い
    3. ✔ 思考の中心は「どこに置くと最もコストが安いか」
    4. ✔ キャッシュは“正しさ”より“速さ”を優先
    5. ✔ キャッシュは“置く場所を間違えると”逆効果になる
  2. キャッシュとは何か?(初心者向けの本質説明)
    1. 🔹 図解(短線版)
  3. キャッシュが必要な理由
    1. ✔ DBアクセスは高コスト
    2. ✔ メモリは圧倒的に高速
    3. ✔ 同じデータを何度も取りに行くのは無駄
  4. キャッシュは大きく5種類ある(重要)
    1. ① ブラウザキャッシュ(フロント側)
    2. ② CDNキャッシュ(ネットワーク側)
    3. ③ アプリケーションキャッシュ(APサーバ内部)
    4. ④ 分散キャッシュ(Redis / Memcached)
    5. ⑤ DBキャッシュ(RDB内部のBuffer Cache)
  5. キャッシュをどこに置くべきか?
    1. 🔹 図解で理解するキャッシュの“階層”
  6. 「どのキャッシュを使うのが最適か?」は用途で変わる
  7. キャッシュの基本戦略(初心者向け)
  8. ここまでのまとめ(初心者向け)
  9. キャッシュの内部構造(LRU / LFU / FIFO)
    1. ✔ LRU(Least Recently Used)
    2. ✔ LFU(Least Frequently Used)
    3. ✔ FIFO(First In First Out)
  10. Redis・Memcached の内部構造(差分)
    1. ✔ Redis
    2. ✔ Memcached
  11. キャッシュ無効化の難しさ
    1. 有名な冗談:
  12. キャッシュ戦略(Write-through / Write-back / Write-around)
    1. ✔ Write-through
    2. ✔ Write-back
    3. ✔ Write-around
  13. 分散キャッシュの落とし穴
  14. Deep Friendly Tech の一言(後書き)

✨ 結論

✔ キャッシュは「よく使うデータを近い場所に置く」仕組み

✔ アプリ向け、DB向け、ブラウザ向けなど種類が多い

✔ 思考の中心は「どこに置くと最もコストが安いか」

✔ キャッシュは“正しさ”より“速さ”を優先

✔ キャッシュは“置く場所を間違えると”逆効果になる


キャッシュとは何か?(初心者向けの本質説明)

キャッシュとは、

「何度も使う値を、高速にアクセスできる場所へコピーしておき、再利用する仕組み」

です。


🔹 図解(短線版)

データ元(DB)
      ↓ 遅い
キャッシュ(メモリ)
      ↓ 速い
アプリ

キャッシュが必要な理由

✔ DBアクセスは高コスト

→ ネットワーク/I/O/ロック などが絡む

✔ メモリは圧倒的に高速

→ アクセスコストは DB の 100〜1000倍 速い

✔ 同じデータを何度も取りに行くのは無駄

→ 近くに置けば全て解決


キャッシュは大きく5種類ある(重要)

初心者が混乱しやすいポイントは
キャッシュには“階層”があるということです。


① ブラウザキャッシュ(フロント側)

画像・CSS・JS など静的ファイルを保存。

Chrome や Safari が勝手にキャッシュしてくれる

② CDNキャッシュ(ネットワーク側)

静的コンテンツをユーザーの近くのサーバに置く。

ユーザー
  ↓
CDN(近い)
  ↓
アプリサーバ(遠い)

③ アプリケーションキャッシュ(APサーバ内部)

例:Java の ConcurrentHashMap など
小規模ならこれで十分。


④ 分散キャッシュ(Redis / Memcached)

アプリを跨いで共有できるキャッシュ。

  • 高速
  • 大量
  • 複数サーバで共有可能
    クラウドでは最も一般的

⑤ DBキャッシュ(RDB内部のBuffer Cache)

実は DB も内部にキャッシュを持っている。


キャッシュをどこに置くべきか?

これが設計者が最も悩むポイント。


🔹 図解で理解するキャッシュの“階層”

ユーザー
  ↓
[ブラウザ]       ← ①
  ↓
[CDN]           ← ②
  ↓
[APサーバ]      ← ③
  ↓
[Redis / Memcached] ← ④
  ↓
[DB(内部キャッシュ)] ← ⑤

「どのキャッシュを使うのが最適か?」は用途で変わる

✔ 静的ファイル → CDN(最強)

✔ 認証情報など速さが命 → アプリ内キャッシュ

✔ 大量のアクセスが来るデータ → Redis

✔ データ整合性が重要 → DBキャッシュ頼り


キャッシュの基本戦略(初心者向け)

✔ ① 必要以上にキャッシュしない(混乱の元)

✔ ② キャッシュは“不整合が起こる”前提

✔ ③ TTL(有効期限)を必ず設定

✔ ④ 書き込み時の整合性は意識する

✔ ⑤ 優先順位は「速さ > 正確さ」


ここまでのまとめ(初心者向け)

  • キャッシュは「近くに置く」仕組み
  • 種類は5つ(ブラウザ〜DB内部)
  • どこに置くかがアーキテクチャ設計の肝
  • 正確さよりスピードが優先

▼▼ 深掘り編ここから ▼▼


キャッシュの内部構造(LRU / LFU / FIFO)

キャッシュはメモリのため容量が限られる。
そのためデータの捨て方が重要。


✔ LRU(Least Recently Used)

「最近使われていないものから捨てる」
→ 現代では最も一般的


✔ LFU(Least Frequently Used)

「使用回数が少ないものから捨てる」


✔ FIFO(First In First Out)

「入れた順番に捨てる」(品質は低い)


Redis・Memcached の内部構造(差分)

✔ Redis

  • 高機能
  • データ構造(Hash、List、SortedSet)が豊富
  • 永続化も可能

✔ Memcached

  • 超シンプル
  • メモリのみ
  • 高速・軽量

キャッシュ無効化の難しさ

キャッシュの一番の難問は…

「古い情報をどうやって消すか?」

有名な冗談:

コンピュータサイエンスの難問は2つ
・キャッシュの無効化
・名前付け
・オフバイワンエラー

(3つ言っている)


キャッシュ戦略(Write-through / Write-back / Write-around)

✔ Write-through

DBに書き込むタイミングでキャッシュも更新
→ 整合性強い
→ 遅い

✔ Write-back

キャッシュに書き込み、後でDB反映
→ 高速
→ DBとズレる可能性

✔ Write-around

DBだけ更新、キャッシュは更新しない
→ 用途限定


分散キャッシュの落とし穴

  • Consistent Hashing が必要
  • 複数ノード間での再配置
  • ネットワーク遅延
  • ノード障害時のリバランス
  • キャッシュスタンピード
    (大量アクセスが同時にキャッシュミスしDBが死ぬ現象)

Deep Friendly Tech の一言(後書き)

キャッシュ設計は
「速さ・整合性・コスト」のバランス調整そのもの です。

どの層に置くか、どんな戦略で捨てるか、
どの情報を整合性の中心に置くか。

これらが理解できると、

  • 大規模トラフィック
  • 負荷の高いアプリ
  • クラウドネイティブ構成

などにも強くなり、
エンジニアとして一段深い「設計者視点」を持てるようになります。

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