🧠【初心者向け】List / Set / Map の違いをやさしく解説(図解あり)
Java のコレクションの基本である List / Set / Map。
どれもよく使われますが、
- 「なんとなく使い分けているけど、本当の違いを説明できない…」
- 「内部構造ってどうなってるの?」
- 「List は順序あり?Set は重複なし?Map はキーと値?」
と、初心者がつまずきやすいテーマです。
この記事では 図解 × 直感 × 基礎 × 深掘り のすべてを使って
3つのコレクションの違いと内部構造を最短で理解できるようにします。
結論
・List=「順序あり・重複可」
・Set=「順序なし・重複不可」
・Map=「キーと値のペア」
3つの特徴を図でまとめるとこうなります👇
List: [A, B, C, A] → 順序あり / 重複OK
Set : {A, B, C} → 順序なし / 重複NG
Map : {K→A, K→B} → キーと値のペア
List とは?(初心者向けの基本説明)
List は 順序を保つ配列のようなコレクション です。
主な性質
- 順序がある
- 重複を許す
- 添字(index)でアクセスできる
代表実装
- ArrayList
- LinkedList
図解(短線版)
Index: 0 1 2 3
Value: A B C A
Set とは?(初心者向けの基本説明)
Set は 重複を許さないコレクション。
主な性質
- 重複不可
- 順序なし(HashSet)
- ただし TreeSet / LinkedHashSet は例外あり
- TreeSet:ソート順
- LinkedHashSet:挿入順を保持
図解(短線版)
{A, B, C} ← 同じAを入れても1つだけ
※ “一意性を保つ” 集合(数学のSet)に近いイメージ。
Map とは?(初心者向けの基本説明)
Map は キー(key)と値(value)のペア を扱うコレクション。
主な性質
- キーの重複不可
- 値の重複は可
- キーにより高速アクセス
代表実装
- HashMap
- TreeMap
- LinkedHashMap
図解(短線版)
Key: id1 id2 id3
Value: Tom Ken Leo
利用時の注意点・落とし穴
✔ List
- index がズレる削除はコストが高い(ArrayList)
- 大量挿入なら LinkedList が有利(ただし現代では ArrayList 優勢)
✔ Set
- 要素の比較は equals() と hashCode() が基準
→ 実装が正しくないと “重複判定” が壊れる
✔ Map
- キーの hashCode() / equals() が超重要
→ 間違えるとキーが取り出せなくなる
ここまでのまとめ(初心者向け)
List → 順序あり / 重複可 / indexアクセス
Set → 順序なし / 重複不可 / 一意性
Map → Key→Value の対応構造
まずはこの3つだけ覚えておけば実務でも十分通用します。
▼▼ ここから深掘り・ニッチ編 ▼▼
【後半:ニッチ編】内部構造で理解する List / Set / Map
List の内部構造
ArrayList の内部は「拡張可能な配列」
[0][1][2][3][4][空][空][空]
容量:8
サイズ:4
- いっぱいになると 1.5倍で拡張(JDKで仕様が少し変わる)
- ランダムアクセス高速(O(1))
- 途中挿入・削除は遅い(O(n))
LinkedList は「双方向リスト」
A ⇄ B ⇄ C ⇄ D
- 挿入・削除が高速
- ランダムアクセスが遅い
→ 現代 Java では ArrayList がほぼ標準。
Set の内部構造:HashSet の正体は HashMap
HashSet は実は 中に HashMap を持っているだけ です。
HashSet = 新しい値を HashMap のキーとして入れる構造
- 重複禁止 → hashCode() と equals() が同じと判断されたら入らない
- 順序なし → ハッシュ構造によるもの
TreeSet は Red-Black Tree(平衡二分木)
値をソートした順で保持する特殊Set。
Map の内部構造:HashMap のバケット構造
図解(短線版)
HashMap
バケット0 → (keyA → valueA)
バケット1 → (keyB → valueB)
バケット2 → 空
バケット3 → (keyC → valueC)
- hashCode() によりバケット(箱)を決める
- equals() で同一キーかどうか確認
- Java 8 以降は衝突が多いと “リンクリスト → 木構造” に最適化される
パフォーマンスとメモリの観点(実務向け)
✔ List
- 小さなデータ・順序重視 → ArrayList
- 大量挿入・削除 → 特例的に LinkedList
✔ Set
- 重複禁止 → HashSet
- ソートしたい → TreeSet
- 挿入順を保持 → LinkedHashSet
✔ Map
- 基本 → HashMap
- ソートしたキーがほしい → TreeMap
- 挿入順を保持 → LinkedHashMap
コレクションの選び方(実務早見表)
順序? → Yes → List
重複? → No → Set
キーで管理? → Yes → Map
この記事のまとめ
- List / Set / Map は特性が明確に違う
- 内部構造を知ると「適切なコレクション選び」ができる
- HashMap・HashSet は equals / hashCode が超重要
- 実務では 80% 以上が ArrayList / HashMap で成立する
Deep Friendly Tech の一言(後書き)
コレクション選びは 可読性・パフォーマンス・意図伝達 の3要素に直結します。
同じコードを書いても「コレクション選びがうまいエンジニア」は
自然とトラブルが少なく、再利用性が高いコードを書きます。
内部構造を知ることは “迷いを減らす武器” になります。

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