🧠【初心者向け】モノリスとマイクロサービスの違いをやさしく解説（図解あり）
システム開発の現場でよく聞く
「モノリス」「マイクロサービス」。
名前は聞いたことがあっても、
- 何が違うの？
- 結局どっちが良いの？
- なぜ企業はマイクロサービスに移行したがるの？
- 移行は本当に必要？
と疑問に思っているエンジニアは多いです。
この記事では
初心者向けのやさしい説明 → 内部構造・真のメリットの深掘り の順で
この2つのアーキテクチャを“本質から理解”できるよう整理します。
✨ 結論
✔ モノリス：1つにまとまった大きなアプリケーション
→ 初期開発が速い、理解しやすい、デプロイも簡単
✔ マイクロサービス：役割ごとに分割された小さなサービス群
→ スケールしやすい、独立開発が可能、障害分離に強い
✔ どちらが優れているか？
→ 用途・規模・チーム構成で完全に変わる
モノリスアーキテクチャとは？
アプリ全体が1つの塊で構成される形。
🔹 図解（短線版）
┌────────────────────┐
│ Web + API + バッチ + DBアクセス │ ← 1つの巨大アプリ
└────────────────────┘
モノリスのメリット（初心者向け）
✔ ① 開発・学習コストが低い
1つのプロジェクトを動かせば良いので理解しやすい。
✔ ② デプロイが簡単
アプリを1つビルド → 1つデプロイで完了。
✔ ③ トランザクション管理が楽
1プロセス内で処理できるため整合性確保も簡単。
モノリスのデメリット
✔ ① 大きくなると変更に弱くなる
機能追加が「巨大な1ファイル」を触るようなイメージになる。
✔ ② ビルド & デプロイが重くなる
1行修正でも全体の再デプロイが必要。
✔ ③ スケールの単位が雑
「注文APIだけ重い」などでも、アプリ全体を丸ごとスケールする必要がある。
マイクロサービスアーキテクチャとは？
機能を小さなサービス単位に分割し、独立して動かす構造。
🔹 図解（短線版）
┌───────┐ ┌──────┐ ┌──────┐
│ Order API │ │ User API │ │ Stock API │ ← それぞれ独立
└───────┘ └──────┘ └──────┘
↑ ↑ ↑
└─ REST / gRPC / MQ ─┘
マイクロサービスのメリット
✔ ① 部署やチームごとに独立開発できる
大規模組織ではここが圧倒的な強み。
✔ ② 部分的にスケールできる
「注文だけ重い→注文APIだけスケール」
という効率的な運用が可能。
✔ ③ 障害分離に強い
ユーザーAPIが落ちても、注文APIは動ける。
マイクロサービスのデメリット
✔ ① システム構成が複雑になりがち
- サービス間通信
- ネットワーク遅延
- データ整合性
- メトリクス収集
など、やることが一気に増える。
✔ ② 運用コストが高い
ログ基盤、監視、サービスメッシュなど
周辺技術が必要になる。
✔ ③ 分散トランザクションの難易度が高い
2PC は基本使えず、Sagaパターンなどが必要。
ここまでのまとめ（初心者向け）
- モノリスは「大きな1つのアプリ」、開発が楽
- マイクロサービスは「独立した小さいアプリの集合」
- マイクロサービスは万能ではない
- 組織規模やトラフィック規模で選ぶべき
▼▼ 深掘り編ここから ▼▼
なぜ企業はマイクロサービスに移行したがるのか？
✔ ① 組織のスケール問題
人数が増えると、1つの巨大アプリは
複数チームで同時開発が不可能になる。
✔ ② デプロイの自動化（CI/CD）との相性
- 小さいサービスはデプロイが高速
- 小さく分けるほど「安全な変更」が作れる
✔ ③ クラウドネイティブとの相性
Kubernetesの登場で、
「小さい単位でスケールさせる」が普通になった。
マイクロサービスは“銀の弾丸”ではない（重要）
近年は
「なんでもマイクロサービス」→ 失敗
というパターンも増えている。
主な失敗理由
- 運用を軽く見積もった
- チーム規模が小さくメリットが出なかった
- 監視・ロギングが追いつかない
- 分散トランザクション地獄
- サービス間通信増加による遅延増大
→ 実は 小〜中規模開発ならモノリスが最適 なことも多い！
ハイブリッド構成（モジュラーモノリス）
最近人気なのは
分割思想（ドメイン分割）を取り入れた“モジュラーモノリス”。
🔹 図解（短線版）
┌────────────────────────┐
│ User Module │ Order Module │ Stock Module │ ← 1アプリ内に階層分割
└────────────────────────┘
メリット
- モノリスのシンプルさ
- 分割構造の分かりやすさ
- マイクロサービスへの移行が簡単
Deep Friendly Tech の一言（後書き）
モノリスとマイクロサービスの議論は
技術論ではなく、組織論と運用コストの話 です。
どちらが正解ではなく、
あなたのチーム・プロダクト・フェーズ によって答えが変わります。
最も大切なのは、
「なぜそのアーキテクチャを採用するのか？」
という“理由と言語化”です。
あなたが設計議論に関わる日も、すぐそこです。
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